書評:ほとんどが蛇足
知人から薦められ購入し、読んだ本書『5秒ルール』。
正直言ってがっかりである。
とにかく内容が薄い。
ページ数は一般的なビジネス書と大差ないが、内容のほとんどはTwitterやフェイスブックで得られた5秒ルールを実践して成功した人の声である。
成功者の声を載せることなど何も意味はない。
そもそも「5秒ルール」に挑戦した人の分母がわからないし、取り組んで上手くいかなかった人はわざわざSNSに投稿することもしない。
そんな状況で成功者の声だけを取り上げるのは全くの無意味である。
それにも関わらず何度も何度も「成功者の声」が取り上げられる。
私が知りたいのは「5秒ルール」とは何か。
どんな効果があるのか。
科学的な根拠は何なのか。
そういった「知識」であり、「体験談」ではない。
「根拠なんかいらない!」
「とにかく成功している人のマネをすれば大丈夫!」
「ビジネス書を読んでカッコつけたい!」
というような人達には読むことをオススメする。
「5秒ルール」とは?
本書で語られる「5秒ルール」は至ってシンプルである。
何かやらなければならない事象と対面した時に、心の中で「5,4,3,2,1」とカウントダウンし、「1」で行動に移すというものだ。
以上だ。
特に付け加える説明はない。
これを活用すれば、仕事も人間関係も私生活も何もかもが上手くいくそうだ。
ぜひ、やってみてほしい。
実際の効果は?
もちろん、私も実践してみた。
確かに行動する時に踏ん切りをつけるきっかけにはなる。
「あとちょっと・・・」などという曖昧な区切りだとついだらだらと先延ばしにしてしまうものだが、「5秒ルール」にはそれはない。
朝、布団から起き上がる時、ご飯を食べた後に行動する時、「5秒ルール」は個人的には使えるものだと思う。
重要な文
"まず、心の中で「5,4,3,2,1」とカウントダウンします。数えるうちに、目標ややるべきことに集中できるようになり、心の中にある不安や雑念や恐怖心が気にならなくなります。そして、「1」になったら、すぐに動く。"
本書で伝えたいことは上記の内容が全てと言っても過言ではない。
あと他に書かれているのは体験談と様々な活用方法である。
"人と本音で語り合うタイミングを待っても無駄だ、ということです。大事な話をするにも、繊細なことを訊くにも、「愛してる」と伝えるにも、適切なタイミングなどないし、相手の話を真摯に聞く時間もありません。やるなら今しかないのです。"
これはその通りである。
適切なタイミングなど一生こない。
思い立った時に言わなければ、一生後悔することになるだろう。
0コメント