書評
以前著者である出口治明氏の著書『「教える」ということ』を読んで、「タテ・ヨコ・算数」を基に物事を考えていくべきであるという主張に感銘し、同感した。そこで、著者に興味を持ち、新しく発刊された本書を購入したわけである。
結論から述べるのであれば、本書は正直物足りない。
対談が収録されており、割合としては本書の半分以上を占める。
もちろん、対談することによって明らかになる考えもあるのだが、どうしても整理されておらず、散らばった内容になっているように感じてしまう。
著者の出口氏が語っている内容についても先述した『「考える」ということ』と大きくは変わらない。
対談形式の方が読みやすい人にはよいかもしれないが、個人的には物足りない一冊であった。
総合評価は62点。
重要文
"人間が情報をインプットするには「人・本・旅」の3つが大切であると思っています。"
情報を手に入れる手段として3つを挙げている。人と本はそのままの意味であるが、旅については意味が広い。
どこか遠方に行くことをイメージしてしまうと思うが、普段と違う道を歩くこと、通勤の道を変えることなど、ちょっとした変化も「旅」としている。
"どの国の経済でも、強くするために必要なのは「人口×生産性」です。人口が少ない国は、一人ひとりの能力を上げていかなければなりません。"
日本は人口が減り続けており、今後も増える見通しはありません。
だからこそ、日本の経済を発展させるためには生産性を上げていく必要があります。
しかし、日本の生産性はG7の中で最下位を独走中。
今後はいかにして生産性を上げていくかが重要になってくるでしょう。
"さて、起業や社会事業にチャレンジしようとするとき、まず何が必要なのでしょうか。細かいことをいいだすとキリがありませんが、僕が大事だと思っているのは、「志」と「算数」のふたつです"
「志」というのは「何をやりたいのか」ということ、「算数」はそのやりたいことを全部数字に直していくことだと述べています。
やりたいという気持ちだけでは起業しても上手くいかないと述べています。
この辺の現実的な思考は非常に好感がもてます。
"サボったら落ちていく、がんばったら上がるという基本的な仕組みがなかったら、社会は衰退していきます。"
この当たり前の仕組が成立していないのが教育界です。
というより公務員と言ったほうがよいかもしれません。
そろそろ時代に合わせたシステムを構築していかなければ緩やかに衰退していくのはほぼ間違いないのですが・・・
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